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「物流革新に集中」新大綱、業界連携や構造是正、消費者協力も提起

業務効率化
「物流革新に集中」新大綱、業界連携や構造是正、消費者協力も提起

国土交通省などは2030年度までの5カ年「総合物流施策大綱」を3月31日、発表した。5年間を「物流革新の集中改革期間」と位置付ける。2025年度までの前「大綱」で重点課題とした物流DXを前提とした上で、荷主や消費者の行動変容も促していく。働き手不足が続く中、自動運転トラックや自動物流道路の実装などで物流の機能維持を図る。

「大綱」は3月31日に閣議決定した。5年間で取り組む諸政策の要点として下記5点を挙げた。
1.サービスの供給制約に対応するための徹底的な物流効率化
2.物流全体の最適化に向けた商慣行の見直しや荷主・消費者の行動変容、産業構造の転換
3.持続可能な物流サービスの提供に向けた物流人材の地位・能力の向上と労働環境の改善
4.物流に携わる多様な関係者の連携・協力による物流標準化と物流DX・GXの推進
5.厳しさを増す国際情勢や自然災害等に対応したサプライチェーンの高度化・強靱化

以上の5つ。国だけでなく物流事業者・発着荷主・一般消費者と、「物流に携わるすべての関係者が一致団結」することが必要とした。

「徹底的な物流効率化」では、陸海空の物流で交通機関の自動化や道路・拠点の再整備を重点施策とする。高速道路で実証を始めている自動運転トラックや自動物流道の実装、鉄道・RORO船※による輸送の拡大、三大都市圏の環状道整備に取り組む。

  • RORO(ローロー)船=Roll-On Roll-Off(トラック、トレーラーが自走して船と乗降した上で荷台の切り離し・連結ができる)貨物船

幹線物流と同様、ラストマイル配送も大きな課題。ドローンをはじめ新しい配送手段の利用と産業育成に省庁は努める。受け取りでは地域の店舗や施設を受取拠点として使ったり「置き配」など対面以外の受け渡し方法を促したりする。

「商慣行見直し、荷主・消費者の行動変容」は法律に基づいた適正な取引・運賃収受が中心。荷主・物流事業者間の価格転嫁、中小業者の協業や統合による事業基盤の強化も促す。消費者に対しても、配送期日に余裕をもたせた買物など「物流に配慮した注文方法」浸透を目指す。

また、パレットなど物流容器の仕様の統一化や、物流データの業者間での共有といった効率化の施策も行政が支援するほか、サプライチェーン全体の脱炭素化も引き続き推進する。「災害時にも止まらない物流」や緊急輸送の態勢強化、成田空港やコンテナ戦略港の拡充など国際競争力の向上や、国際海上・陸上輸送路の開拓にも触れている。

物流の現状について、「2024年問題」で注目された輸送力不足を官民の対策でおおむね乗り越えた一方、新大綱の期間に「物流機能を維持する施策の具体化・深化が必要」と分析した。

図表は国土交通省3月31日発表「総合物流施策大綱概要」より抜粋

(引用:LIGARE)