2025.2.20

【徹底解説】EVのトラブル・メンテナンス対策まとめ

カテゴリー:コラム
テーマ:EV/環境・脱炭素/コスト最適化

EV(電気自動車)は、環境への配慮やコスト削減の点で社用車として注目されています。EVはガソリン車とは異なる特性を持つため、従来のトラブル・メンテナンスの対応に加えてEV特有の対応が必要になります。

この記事では、EVを導入・検討している事業者向けに、EVの特有のトラブルと適切なメンテナンス方法を解説します。また、走行や充電における課題、定期点検のポイントを詳しく説明し、EVリースの効果的な活用方法についても紹介します。

そもそもEVって何?という方はこちらの記事から読んでいただくのをオススメします。
EV(電気自動車)とは?特徴や種類についてゼロから解説!

1. EVでよくあるクルマのトラブル

EVの普及が進む中、多くのユーザーが新しい車両形態に慣れるとともに、独自のトラブルに直面することがあります。

従来のガソリン車とは異なる特性を持つEVは、バッテリーや充電、走行性能において、いくつか特有の課題があります。本章では、EVのトラブルについて詳しく解説し、その原因と対処法をわかりやすくお伝えします。

走行中に電欠してしまう

EVの普及に伴い、走行中の電欠が新たな課題として浮上しています。JAF(一般社団法人日本自動車連盟)の発表によれば、EVのロードサービス出動理由の約10%が電欠によるものです。主な原因は、バッテリー残量の誤った見積もりや、予想外の長距離走行、冬季の暖房使用によるバッテリー消費の増大などが挙げられます。

特に、EVは冬場の暖房にバッテリーを使用するため、電池の消耗が通常より早くなります。長距離走行や寒冷地での運転時には、事前の充電計画と早めの充電が電欠回避の鍵となるでしょう。
参考:一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)|JAFロードサービス、電欠はEVトラブルの10%!

EVの航続距離や電欠しないポイントについて、詳しくはこちら
EVの航続距離はどれくらい? 電欠しないポイントも紹介

充電コネクターがEV車両から抜けない

EVの充電中にコネクターが抜けないトラブルは、車両側のコネクターロック機能に起因することが多くあります。車両のシフトポジションがパーキング(P)位置で、コネクターのロックが解除されていないと、充電器側のロック解除ボタンが機能しなくなります。

解除方法は各メーカーにより異なるため、取扱説明書を確認しましょう。また、充電器側のロック解除ボタンが機能しているにもかかわらずコネクターが抜けない場合は、充電器自体の故障の可能性が高く、販売店や施工業者への問い合わせが必要です。
参考:日産自動車|充電コネクタロックモードの設定の仕方

タイヤの摩耗が早い

ガソリン車に比べてEVは、タイヤの摩耗が早い傾向があります。主な理由は、大容量バッテリーによる車両重量の増加と、モーターの特性にあります。

EVは同クラスのガソリン車よりも重量が大きいと言われており、その差は少なくとも100kg以上です。この重量の差がタイヤへの荷重負担の一因です。また、EVはモーターの低回転域での高トルク特性により、加速性能に優れていますが、これもタイヤ摩耗を早める要因となっています。タイヤの摩耗を抑えるには、定期的な空気圧点検や、最近登場したEV専用タイヤの利用が効果的です。

2. EVでよくある充電器のトラブル

EVの普及に伴い、充電に関するトラブルも増加しています。公共充電ステーションや自宅充電設備を利用する際、様々な問題が発生する可能性があります。

充電サービスカードの認証エラー、車両と充電器の相性、ケーブルの接続不良、意図せぬ充電の中断など、EV ユーザーが直面する可能性のある充電トラブルは多岐にわたります。これらの問題に対して事前に備え、対処方法を知っておくことが重要です。

EVの充電について、詳しくはこちら
これを読めばわかる! EV(電気自動車)の充電のあれこれ

充電サービスのカードが認証されない

EVでの経路充電中(目的地までの経由地での充電)に、充電サービスカードの認証トラブルが発生することがあります。

例えば、普通充電プランで急速充電器を利用しようとする場合や、充電サービス以外のカードを使用した場合、紐づけたクレジットカードの有効期限切れなどが考えられます。充電プランや充電器に合った充電サービスカードを使用し、定期的にカードの有効期限を確認しましょう。

もし、これらの条件に該当しない場合は、充電サービスのサポートセンターに問い合わせることをおすすめします。

EVと充電器の相性が悪い

EVの普及に伴い、進んでいるのが車種と充電器の多様化です。しかし、特定の車両と充電器の組み合わせによって充電できない不具合が報告されています。不具合の課題は、EV普及における現在の技術的な課題の一つです。

現在、車両メーカーと充電器メーカーは、これらの不具合を引き起こす原因解明と解消に取り組んでいます。e-Mobility Power(eMP)では、EV充電器の不具合情報を公開中です。事前に確認することで、充電トラブルを回避できる一つの方法になるでしょう。
参考:e-Mobility Power|EV・充電器不具合情報

充電ケーブルの故障で接続不良が起きる

EVの充電ケーブルは消耗品であり、一般的に抜き挿し約1万回で交換が必要となります。特に、不特定多数が利用する経路充電サービスでは、ケーブルの消耗が激しく、断線のリスクが高くなります。

オフィスや自社工場に設置された充電器においても、同様の劣化が発生する可能性があるため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。ケーブルの状態を適切に管理することで、充電時の接続不良やトラブルを未然に予防できるでしょう。

充電したと思ったら充電できていなかった

EV利用時のトラブルの一つは、充電作業がきちんとできていないケースです。夜間に充電を開始したにもかかわらず、翌朝気づいたときには充電されておらず、移動できないというトラブルが多く報告されています。

原因は主に、充電コネクターの不完全な接続や、充電開始の確認不足によるものです。車両のディスプレイや充電器の表示を確認せず、充電が正常に開始されていないまま放置してしまうと、このようなミスにつながる可能性があります。

対策としては、充電手順を丁寧に進め、充電状況を目視で確認することが重要といえるでしょう。


そのほか、充電時のトラブルもeMPのHPにまとまっているので、こちらも参考にしてみてください。
参考:e-Mobility Power|よくあるご質問『充電時のトラブル』

3. EVに必要なメンテナンス

EVは構造上ガソリン車と異なる点がありますが、実は日常的な点検項目はガソリン車とほとんど変わりません。

定期的なメンテナンスは、EVの性能を最大限に引き出し、長期間にわたって安全で快適な走行を実現するために不可欠といえるでしょう。

エンジンルーム内の点検

EVのエンジンルーム内点検では、各種液体の量と状態を定期的にチェックすることが重要です。

まず、ウィンドウ・ウォッシャー液は、視界確保に欠かせないため、常に十分な量を保つ必要があります。

ブレーキ液は制動システムの安全性に直結するため、液の量が十分か確認しましょう。バッテリー液は電気系統の正常な機能を維持するための重要な要素です。また、エンジンの無いEVでも、モーターや駆動用バッテリーなどを冷却するために冷却水(クーラント)が使われており、適切な液量を保つことが求められます。

これらの液体を定期的に点検し、不足や不具合がある場合は補充または修理、交換することで、EVの性能維持と安全につなげられるでしょう。

車体周りの点検

EVの安全走行において、とくにタイヤの状態は重要です。ガソリン車と同様に適切な空気圧を維持することは走行性能と電費効率に大きく影響します。

タイヤ表面の亀裂や損傷、異常な摩耗がないかを慎重にチェックし、溝の深さも安全走行に必要な水準を保っているか確認しましょう。また、車体周りとしてヘッドライト、テールランプ、ウィンカーなどのランプ類の点灯状態や点滅を検証し、レンズの汚れや損傷がないか点検することも大切です。

運転席での動作確認

EVの運転前点検では、運転席で各機能の動作を確認しましょう。ブレーキ・ペダルの踏みしろと制動力をチェックし、安全性を確認します。パーキングブレーキ・レバーの引きしろも適切かどうかチェックしましょう。

ウィンドウ・ウォッシャーは、噴射状態とワイパーのふき取り具合を確認し、視界の確保に問題がないか確認します。また、エンジンの代わりにモーターを搭載するEVでは、モーターの異音や走行時の状態を観察し、異常がないか確認することも大切です。これらの点検項目をチェックすることで、快適な走行と問題の早期発見に繋げることができます。

4. リースならメンテナンスやトラブル対応サポートが充実

EVのリースは、所有に比べて大きなメリットがあります。EVも車検、消耗品の交換、修理、部品交換など、メンテナンスとトラブルへの煩雑な作業が必要です。

リースを選択することで、専門家による定期点検やトラブルへの迅速な対応が可能となり、車両の状態を常に最適に保つことができます。さらに、充電器のサポートや契約プランによってはコスト削減も期待できるため、EVユーザーにとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

ここではNCSのメンテナンスリースについて紹介します。

車検や消耗品等の交換ができる

メンテナンスリースの大きな魅力は、車検や消耗品の交換を専門業者の代行で進められることです。NCSのメンテナンスリースでは、タイヤ、ブレーキパッドなどの定期的な消耗品交換を計画的かつ効率的に実施します。

車検についても同様です。車検の手続きから実施までをワンストップでサポート。専門スタッフが車両の状態を適切に診断し、消費品の交換や整備を行うため、常に車両の安全性と信頼性を維持できるでしょう。

修理や部品交換も対応

メンテナンスリースの特徴として、車両の修理や部品交換の包括的なサポートが挙げられます。専門スタッフが車両の状態を定期的に診断し、適切なタイミングで部品を交換します。

リース会社は専門的な知識と経験を活かし、迅速に修理や部品交換に対応できるため、車両所有者の負担を大幅に軽減できるでしょう。

メンテナンスリースならコスト削減が可能

前提として、EVリースの場合はEVの購入と比べて、大幅に初期費用を削減することができます。それだけでなく、NCSのEVソリューションでは、EVの手配や充電器の設置、補助金申請サポート、導入後のメンテナンスまで、ワンストップで提供することで、導入や運用にかかる手間や費用を削減することができます。

オートリース会社としての調達力を活かし、車両や充放電機器をリーズナブルな価格で提供し、初期投資の負担も軽減します。

NCSのメンテナンスリースについて、詳しくはこちら
NCS メンテナンスリース

EVリースの具体的な流れについて、詳しくはこちら
車両管理担当者必見! 社用車のEVリースの流れを解説

目的や用途に合わせた最適なEVをご提案

NCSでは国内外問わずほぼ全てのメーカーの車種を取り扱っているため、企業の目的や用途に合わせた最適なEV車種のご提案が可能です。
EV導入を検討する際はまずお気軽に相談いただくことをおすすめします。

EV車種について、詳しくはこちら
【乗用・軽商用編】法人向けEVの車種ラインアップを紹介!
【トラック・バス編】法人向けEVの車種ラインアップを紹介!

5. まとめ

EVのトラブルは車両だけでなく充電器が原因の場合もあります。また、メンテナンス項目はガソリン車と大きく変わらないものの、日常的にチェックするのが望ましいでしょう。トラブルやメンテナンスへの正しい理解と、適切なリースサービスの活用により、EVの魅力を最大限に引き出せます。
技術の進化と共に、より使いやすく、持続可能な移動手段として、EVは今後さらに発展していくことが期待されるため、社用車を導入する場合はEVの検討をおすすめします。

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