2024.10.7

【トラック・バス編】法人向けEVの車種ラインアップを紹介!

カテゴリー:コラム
テーマ:EV/環境・脱炭素/コスト最適化/業務効率化

この記事は前回の記事に引き続きEV(電気自動車)の車種を取り上げています。今回は日本の自動車メーカーが販売しているEVトラック・EVバスの車種やスペック、特徴を紹介していきます。またEV導入時に活用できる補助金についても触れていますので、今後のEVシフトへの検討材料にご活用ください。

乗用・軽商用EVの車種ラインアップはこちらで紹介しています。
【乗用・軽商用編】法人向けEVの車種ラインアップを紹介!

また、そもそもEVって? という方はこちらの記事をご覧ください。
EV(電気自動車)とは?特徴や種類についてゼロから解説!

1. EVトラック・EVバスの特徴

まずはEVトラック・EVバスそれぞれの特徴を紹介します。

EVトラックは騒音や振動を気にしなくていい

EVトラックの最大の利点は、その高い静音性です。静音性はEV全般に言える特徴ですが、特にエンジンの音や振動が大きいディーゼル車のトラックと比較すると、その効果をより実感できるでしょう。

EVバスは整備や点検がラクにできる

EVバスの特徴は、ディーゼル車のバスと比べて部品点数が少なく機構がシンプルという点です。そのため、低床・フルフラットで乗客が乗り降りしやすくなっています。

また機構がシンプルなことは車両整備の省力化にもつながります。人命を預かる旅客業だからこそより安全には気を配る必要がありますが、その分現場の負担減少が期待できます。

2. いすゞのEV

いすゞから発売されるEVは、「エルフEV」「エルガEV」の2車種です。

エルフEV

エルフEVの最大の特徴は、車両の状態をいつでも確認できる点です。運行状況や充電を一元管理できる商用車情報基盤「GATEX」により、ドライバーが気付きにくい故障や車両のバッテリー状態の把握を容易に行うことができます。

※参照:いすゞ自動車「エルフEV」

エルガEV

エルガEVは、大容量バッテリーを搭載し、静音性や乗り心地の向上がはかられている点が特徴です。また、運転席にはバッテリー残量や走行可能距離などの情報を見やすく表示できる大型ディスプレイを配置しています。

安全面では、先進運転支援技術を搭載し乗客と運転手の安全性を高める工夫が施されています。

※参照:いすゞ自動車「エルガEV」

3. 日野のEV

日野から発売されるEVは、「デュトロ Z EV」の1車種です。

デュトロ Z EV

日野デュトロ Z EVは、ドライバーの利便性を重視した設計が特徴です。ウォークスルー構造により運転席から荷室への移動がスムーズで、スライド扉の設置により歩道側から安全に乗り降りできます。

また、普通免許で運転できるためドライバーの採用ハードルを下げられます。

※参照:日野自動車「日野デュトロ Z EV」

4. 三菱ふそうのEV

三菱ふそうから発売されるEVは、「eCanter」の1車種です。

eCanter

eCanterは、三菱ふそう独自の電動技術を利用し、都市内から中距離の輸送まで幅広い航続性能を実現しています。

また、視認性に優れた液晶メーターやセンターディスプレイなど、美しさと使いやすさでドライバーの快適性も向上しています。

※参照:三菱ふそうトラック・バス「eCanter」

5. 補助金活用でEVの導入コストを抑えられる

EVトラックやEVバスの導入を検討する企業にとって、初期投資の高さが課題となっています。しかし、国や自治体が提供する各種補助金を活用することで、導入コストを大幅に抑えることが可能です。

ここでは、車両購入時と充電設備設置時に利用できる補助金制度について詳しく説明します。

車両購入時に補助金でコスト削減が可能

EVトラックやEVバスの購入時には、国の「商用車の電動化促進事業」補助金を活用できます。この補助金は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として、環境省が実施しています。対象となるのは、非化石エネルギー自動車の導入計画を設定している事業者です。補助対象車両は環境省の事前登録を受けたBEV、PHEV、FCVのトラックで、新車購入時に適用されます。金額は同クラスの燃費水準車(ディーゼル車)の車両価格との差額(上限3,500万円)です。

さらに、自治体独自の補助金制度もあり、これらを併用することでさらなるコスト削減が可能です。

※参照:環境省「令和5年度(補正予算)商用車の電動化促進事業の公募について」

充電設備の設置時にも補助金が活用できる

EVトラックやEVバスの導入には、充電設備の整備も不可欠です。充電設備の設置時にも活用できる国の補助金があるため、積極的に申請することをおすすめします。

また充電設備も地方自治体が交付する補助金があります。たとえば東京都では、充電設備の導入にも様々な補助金が用意されています。例えば、V2B(Vehicle to Building)機能を持つ充放電設備を導入する場合、1台あたり10万円の上乗せ補助が受けられます。V2B設備は非常時の電力供給源としても活用できるため、事業継続性の向上にも貢献できるでしょう。

※参照:一般社団法人次世代自動車振興センター「充電設備・V2H充放電設備・外部給電器補助金」
※参照:クールネット東京「EVバス・EVトラック導入促進事業」

6. 社用車としてEVを導入した事例

実際にEVトラック・EVバスを導入した企業の事例を紹介します。

一般社団法人グリーンコープ共同体さま

一般社団法人グリーンコープ共同体は、組合員からの1通の手紙がきっかけとなり、カーボンニュートラルへの取り組みが始動しました。温室効果ガスの排出量が多い配送用トラックや営業車両のEVシフトをNCSが支援しました。

導入した主な車種は日野自動車のデュトロ Z EVとなっており、荷台が低くウォークスルー構造で積み込み・積み下ろしがしやすいのが特徴です。そのため、配送を行う女性スタッフの負担を軽減することに成功しました。また、EVの電力には「グリーンコープでんき」を利用し、発電時・走行時のゼロエミッションを実現しました。

詳しくはこちら
NCS「導入活用事例 一般社団法人グリーンコープ共同体さま」

ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸株式会社は、2023年9月からエルフEV、デュトロ Z EV、eCanterを順次導入しています。ヤマトグループでは、グループとして掲げている温室効果ガス削減の施策として、2030年までにEV20,500台の導入目標を掲げています。

※参照:ヤマトホールディングス 「環境への取り組み EV導入推進」

7. まとめ

今回はEVトラック・EVバスの車種ラインアップを紹介しました。運転や荷物の積み下ろしによるストレス・負担が軽減されるだけでなく、車両整備を省力化することができるなど様々なメリットがあることが分かりました。

また、補助金を活用することで初期コストを抑えることもできるため、ぜひ積極的にEV導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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