2024.11.26

【N-VAN e:試乗会レポート】使いやすさはそのままに走りと安全性向上 進化を続ける軽バンEV

カテゴリー:イベント
テーマ:EV/環境・脱炭素

日本カーソリューションズ(以下 NCS)は、ホンダモビリティ南関東と共同で新発売の軽バンEV「N-VAN e:」の試乗会を10月22日(火)、ホンダカーズ東京中央 港店(東京都港区芝浦)で行いました。

「N-VAN e:」は、ガソリン車「N-VAN」で高く評価されている広い荷室や荷物の積み降ろしのしやすさはそのままに、電動パワートレインを搭載したモデルです。軽貨物物流・運送業をはじめとする各企業が大きな関心を寄せています。

本田技研工業 (以下 ホンダ)が同モデルにかける思いや、試乗されたお客さまの声、NCSによるEVリースの事業展開をご紹介します。

1. N-VANそのまま、使い勝手のよさ

「N-VAN e:」はセンターピラーレスの大開口や低床の大空間など、N-VANの個性は大切に受け継ぎ、 EVのちから強い走りを加えたモデルです(ホンダN-VAN e:カタログより) 。「e:L4」ほか計4グレードを展開しています。

「e:L4」のメーカー希望小売価格(税込み)は269万9400円 。自家用の場合はCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金55万円、事業用の場合は環境優良車普及機構(LEVO)補助金102万9000円を利用できます。また、各自治体の補助金と併用することで、さらに購入時の費用を抑えられます。

ホンダモビリティ南関東 上田真也さまはガソリン車N-VANとプラットフォーム(車台)が共通のN-VAN e:について「N-VANをお使いいただいているお客さまに、従来通りご利用いただけるモデルです」と自信をのぞかせます。

N-VAN:eは、N-VANの最大の魅力である使いやすさをEVでも実現しました。「場所をとる、車室のレイアウトに影響する」など、EVの懸念とされるバッテリーを薄型にして荷室下に置きました。これにより低床フロアを実現し、また従来のN-VANの特長である、荷物の積み降ろしをしやすい助手席側のセンターピラーレス、広々と使える荷室をN-VAN e:は寸法そのままに受け継いでいます。

※参照:本田技研工業株式会社「N-VAN e: (使い勝手)」

※参照:本田技研工業株式会社「N-VAN e: (e: L4)」

特に荷室は「他社モデルに比べて圧倒的に高く、広い」(上田さま)。段ボール箱71個、最大積載量300キロが収まります。また助手席を倒して凹み部分へのアタッチメントを使えばほとんど凹凸のない広い荷室となり、作業しやすい設計です。

2. 好評の力強い走り、航続距離の長さ、充電も楽に

N-VANのEVならではの特長は、「加速のよさ、パワーのある走り」。実際に、試乗会の参加者全員が異口同音にスピードやパワーについて挙げていただきました。一航続距離も、軽EVトップクラスの245kmを誇ります(WLTCモード)。

長い航続距離、作業のしやすさが相まってN-VANと同じく軽貨物の配送に、社用車での外回りに大活躍してくれます。また、航続距離が短くなることが懸念される寒さ対策では、低温になったバッテリーを暖めるヒーターで対応。充電中も加温でき、寒冷地での使用にも問題ありません。ホンダのシミュレーション結果では、外気温5度・車内の空調25度設定で100キロ走ってもバッテリーは15%残ります。ホンダは北海道のテストコースで何度も走行試験を重ね、雪道でも商用車として問題なく利用できることも、売りの一つとしています。

充電では、従来の国産軽EVの3kW充電に対して、N-VAN e:は6kW充電を利用できます。e: L4ではオプション装備ですが、グレードによっては標準装備となる急速充電も可能です。

充電の管理は、通信機能「Honda CONNECT」を使ってスマートフォンからも操作が可能です。開始時間を設定して電力料金が高い時間を避けて充電したり、寒い日の運転前にバッテリー・車内を暖めて走行距離を延ばしたりなど営業活動にあわせた使い方ができます。

また、バッテリーは29.6kWhの大容量です。専用の外部給電器を使用することで1500Wまでの家電が使用でき、停電・災害時の非常用電源として使えます。

3. EVとなり安全性もさらに向上、「顔」に初の再生素材

ガソリン車と同様、標準装備(一部グレード除く)でADAS(安全運転支援システム)「Honda SENSING」があります。パーキングセンサーやオプションの急アクセル制御などを搭載し、予防安全にもさらに配慮がされています。また、軽バンとして初めてサイドカーテンエアバッグが搭載されており、ボディーの剛性を高めた上で、床下バッテリー周りの保護材により横からの衝撃に備えています。

そのほか、EV化にあたって変更された点が複数あります。

運転席周りではシフトレバーがスイッチとなり、パワーウインドウ、空調、省電走行モードに移行する「ECON」スイッチなどのスイッチ類が集中して配置されています。

タイヤは13インチとガソリン車の12インチよりひとまわり大きくなっています。これはEV化による重量増に対応するためであり、多くの荷物を積んでも大きなタイヤが力強く乗り心地のよい走りを支えます。

また、エクステリアでは、ホンダ車として初めてフロントグリルに再生素材が採用されています。廃棄バンパー由来の再生プラスチック製グリルは一点物です。複数種の色の廃棄バンパーを混合して再生し、一つ一つ違う色彩や模様のグリルができあがります。まさに環境にやさしいEVにぴったりの「顔」です。

ホンダは、同社初の軽バンEVとしてN-VAN e:の販売に力を入れています。上田さまは「脱炭素を推進する企業の注目がN-VAN e:に集まっている」と話します。

クルマの使い方や航続距離、充電環境など企業がEVにもつ疑問に答え、リースや充電器サービスを行う他社と協力し、運送業に限らず幅広い業種で活用できるN-VAN e:の普及に取り組む考えとのことです。

4. 性能の高さも脱炭素でも、N-VAN e:に集まる企業の期待

N-VAN e:を試乗された企業の皆さまにもお話をうかがいました。

試乗された方々のコメント

自動車など機械部品の商社、トーアメック株式会社の管理部 主任 池田典弘さまは

「軽とは思えない普通車並みの加速がすばらしいと感じました」
「社用車のランニングコスト抑制と脱炭素の観点からN-VAN e:導入を検討しています」

同社グループ内の物流会社トーアエクスプレス株式会社 社長 熊谷昭一さまは
「加速のよさに加えて省電走行の「ECON」が好印象」

また、「荷室全面をフラットにできる気遣いがすごい。現在の社用車では、車内の隙間に商品が落ちてしまうことがあり、『隙間がない』 というのは地味ながらたいへん助かります」

横浜市内の公園管理を請け負う企業、横浜緑地株式会社の長谷川雅弘さまは

「アクセルが軽いことに驚きました。静かで振動が少なく、乗り心地がたいへんよかったです」

「現在の社用車はガソリン車のバンや軽トラックの他、一部ハイブリッド車も採用していますが、走行距離を考えると、N-VAN e:で途中充電の必要はなさそうです。当社は造園工事や緑地管理とともに公園の管理運営を受託している企業でもあり、環境負荷を減らす観点から、EV の導入も検討中です。」

ほか、試乗した企業の皆さまからは、
「ホンダならではの『走り』に力を入れたバンだと感じます」
「ビルメンテナンスに必要な道具を積んで移動するのに必要十分」
「今の社用車よりも荷室が高く使いやすそう」
「ミラーを電動で収納できる商用車は貴重」
「環境を意識してまず1台社用車にEVを導入したいと思い、試乗会に参加しました」
といったコメントをいただきました。

5. 新しい軽バンの登場で弾みをつけるNCSのEV展開

車両調達にリース契約をご活用いただく企業が多く、特に商用車のEV普及を図る上でリース会社は必要不可欠な存在です。

NCSはEVの普及に全力を注いでいます。営業統括本部 営業統括部 推進チーム 次長 小川裕之はN-VAN e:とEVのリースについて次のように考えています。

――N-VAN e:にかける期待

軽バンEVの選択肢が増えたという点で嬉しく、軽貨物の配送用途でEV化がより進むと感じています。これまで軽バンEVの国産モデルというと実質1モデルしかありませんでした。そのため、N-VAN e:が加わったことはお客さまのメリットになると思っています。

――EVの懸念を払拭 N-VANの使いやすさはそのまま

航続距離245kmは、多くの企業で経路充電することなくルート配送・営業が可能な距離と考えております。また、1日に何十回と荷物の積み降ろしをする軽バンの低床・大開口は大きな強みで、高性能、安全・安心、利便性の魅力はお客さまからご好評をいただいております。

――数日間の業務試乗も提供予定、補助金もお任せ 社用車としてのN-VAN e:のメリット

航続距離や充電性能、積み降ろしのしやすさといった「スペックの高さ」です。静かで振動が少ない乗り心地や、補助金を利用してグレードによっては200万円を切る値頃 になるのも強みです。

――お客さまの反応

ホンダとは1年半ほど前から一緒にN-VAN e:の受注活動をしていて、発売の1年前に受注実績も出ています。お客さまの関心は非常に高いと考えています。発売されたことで実際にクルマに触れていただくことができますので、今後に大いに期待しています。

――EV試乗の機会を増やす

メーカー、ディーラーと一緒に今回のような試乗イベントを積極的に行ってまいります。具体的には数日間のレンタル試乗など、お客さまが実際の業務にN-VAN e:を使う機会を設けることで拡販につなげたいと考えており、10月より取り組んでおります。

――補助金関連も分かりやすく

お客さまのEV導入を支援する方法の一つとして、補助金申請のサポートも行っております。EVリースに関わる国・自治体の補助金情報を整理及びご提供し、NCSが申請の取り次ぎをする有償プランも用意しております。

――EVメンテも万全、NCSのEVリースの強み

他社に先行して企業のEV導入・運用支援を行ってきた経験がNCSにはあります。他社にはない強みは、リース会社として希少なEV整備が可能な自社工場を持つことです 。また株主であり、顧客でもあるNTTや、東京ガスさまといった脱炭素に積極的な企業の知見も活かし、お客さまのEV導入課題に対し真摯に向き合える体制となっております。

――パートナー共創で進めるEV普及

NCSは、株主、パートナー、車両のメーカーやディーラーとの強固な信頼関係、多彩なチャネルを生かしてお客さまのEV導入・運用をサポートしております。充電やエネルギーマネジメント、EVに関連するサービスを、お客さまの利用条件に適した形で提案できます。それぞれ得意分野をもつ多くのパートナー企業と連携し、リースだけでなくEVに関わるコンサルティングを含む総合提案を展開しています。ちょっとしたご質問からでも、まずはお気軽にご相談ください。

――増えるEVリース BCPから脱炭素へ

NCSのEVリース実績は業界トップレベルです。EV事業の開始間もない頃、お客さまはBCP(事業継続計画)対策として外部給電に注目してEVを導入し始めておりました。そして現在は脱炭素を目的とする導入が着実に増えています。

EV化の流れは今後も変わらないと考えています。さらにN-VAN e:が発売されたことで、軽バンのEV化が進み、全体のEVモデル数も増え、脱炭素の動きがより加速するとみております。

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