交通事故の削減は企業活動において重要な課題です。大切な従業員とそのご家族を守るため、また従業員が重大な事故を起こさないために、安全運転講習を実施したり、安全運転マニュアルを作成したりする企業も多いと思います。事故を減らすには、道路交通安全マネジメント体制を構築し、組織として交通安全に取り組むことが大切です。企業のリスクと社会的責任が問われる今、国際規格ISO39001に注目が集まっています。 ISO 39001とは交通事故による死亡事故、重症事故の削減を目指す道路交通安全マネジメントシステムのことで、組織が取り組むべき事項を定めた国際規格です。2007年8月にスウェーデンにより新規提案が行われたことを始まりとして、2012年に正式発行されました。 規格の対象となるのはトラックやバスなどの運輸事業者だけでなく、自動車メーカーや整備工場、自動車リース会社、駐車場を持つ商業施設など、クルマを扱うあらゆる組織で導入することができます。近年、クルマを扱う企業による重大事故が発生していることから、ISO39001の認証を取得する企業が増えています。 ISO39001を取得することで、企業活動の中で道路交通安全にかかわるリスクを洗い出すと同時に、組織として実効性の高い予防措置を講じることができるようになります。またPDCAサイクルを徹底することで、安全運転に対する取り組みの体系化や従業員の意識向上が期待できるでしょう。