建機レンタル業界のカーボンニュートラルをリードするアクティオのEV導入をワンストップサポート

株式会社アクティオさま

副社長執行役員・管理本部長
小沼 成人氏

業種:サービス
導入サービス:EV導入
導入効果:環境・脱炭素

導入の背景/課題
・建設機械の多くは昔ながらの内燃機関が主力。建機レンタル業界のリーディングカンパニーとして脱炭素の推進が欠かせない
・社用車は一部車種を除き、ハイブリッド化を実施。コストを抑えながら、より脱炭素効果の高いEV導入を検討
選んだ理由
・EVのリースから充電設備の設置、補助金の申請までワンストップでEV導入を支援してもらえるところ
・導入車両には「カーボンゼロ」をアピールするステッカーを施工するなど独自の提案があった
導入の効果
・環境性、静音性に対する現場社員からの満足度向上
・東京都を中心に25台の軽EVを導入。43.2tのCO₂排出量削減に貢献

株式会社アクティオは、建設機械をレンタルする企業です。オフィスビルやマンションの建築、道路やトンネル工事など、全国各地の建設現場で使われる建設機械の多くは当社のようなレンタル会社から貸し出されています。その中でも当社は1967年から建設機械のレンタル業を展開し、大手ゼネコンをはじめ、多くの建設会社と連携しながら、業界のリーディングカンパニーとして、あらゆる領域に建設機械をレンタルしています。

脱炭素化が難しいとされる建機レンタル業界。
リーディングカンパニーとしてカーボンニュートラルを推進

副社長執行役員・管理本部長 小沼 成人氏

副社長執行役員・管理本部長 小沼 成人氏 



当社には水中ポンプや発電機、ショベルカー、クレーン、高所作業車など、多くの建設機械を保有しておりますが、それらの機械を単に貸すだけではなく、お客さまの要望に対して付加価値で応えています。例えば「水中ポンプが欲しい」というご要望があれば、水の濁度・沈殿物・設置する角度・発電設備などを徹底的にヒアリングし、機械の使用方法や故障対応など、工法についてもアドバイス。現場の環境や状況、工程を踏まえ、お客さまのニーズに合った最適な機械を提案・手配するという、コンサルティングを伴ったレンタル「レンサルティング®」を提供しています。私たちは建設機械のメーカーではありませんが、建設現場から汲み上げたニーズをメーカーにフィードバックして建設機械を共同開発するなど、建設現場とメーカーの間に立ってお客さまの課題を日々解決しています。

近年はSDGsの達成に向けて、企業に対する社会からの要請が大きくなってきています。当社では、創業当時から大切にする「人を大事に、機械を大事に」という精神のもと、メンテナンス技術を通じて機械の延命・再利用・効率的利用を実現するとともに、お客さまの事業活動を通じて、まちづくり・インフラ整備・災害復興などをお手伝いしています。つまり、当社の業態そのものに省資源・環境配慮といった価値や社会的課題解決に対する責務が内在しているため、事業活動と関わりの深い領域を中心に、SDGsに関する取り組みを行ってきました。

しかしながら、建設機械は内燃機関が主流の機械が多く、脱炭素の推進が難しいとされている中で、業界のリーディングカンパニーとして、できるところからカーボンニュートラルに先駆けて取り組んでいます。例えば、一般的な発電機をバイオディーゼル燃料仕様に改良し、耐久性も自社で2年間テストの上レンタル商品化しました。植物性廃油を主原料としたリサイクル燃料を用いる専用の発電機です。バイオディーゼル燃料はCO₂排出量がゼロカウントとなるカーボンニュートラルに位置付けられます。また、社用車は一部車種を除き、ハイブリッド化を実施。そして、業界全体のカーボンニュートラルを推進するという決意のもと、よりカーボンニュートラル効果の高いEV導入の検討を開始しました。

車両の手配から充電設備の設置、補助金申請までワンストップで対応

レンサルティングスタジオスペース

EVを導入するにあたり、得られる脱炭素効果は把握していましたが、普段の営業ルートやお客さまとの距離感を考えると、充電設備や航続距離の問題をクリアしなければなりませんでした。車体価格や充電器の設置費用など、想像以上に様々なコストが重くのしかかってくる中で、NCSからEV導入の提案がありました。

NCSと当社は、30年以上のリース取引がございます。NCSを選定した理由は、EV車両の手配から充電設備の設置、補助金申請対応までワンストップで対応できる点です。充電設備に関しては、設置場所・機種についてアドバイスいただき、東京センチュリーとともに補助金を最大限活用した提案内容により低コストでの導入が可能となりました。

また、導入車両には「Zero Emission」と当社のロゴを合わせたステッカーを施工するというご提案もいただきました。EVを導入する際に考えたのは、やはり普通にEVを走行させるだけではもったいないという思いがあり、誰が見ても「EV」とわかるようにアピールしたいと考えていました。ステッカーを施工したことで、建設現場や取引先から「アクティオがEVを入れた」「環境を考慮している」という声をいただく機会が増えました。動く広告塔としての効果も見込まれると思います。

現在は導入コストを抑えられる軽EVを長野に1台、東京に24台配備。充電設備も8機設置しており、走行距離の少ない東京都内での営業活動に使用しています。運用面では白山・麻布に急速充電器を設置し、それ以外は普通充電器を設置。タイミングや時間によって使い分けてもらっています。充電するタイミングが重なることもあり、オペレーション上改善の余地はありますが、対策として充電カードを携帯することで遠方への移動にも対応しています。
導入車両

導入車両

EV導入を推進し、よりインパクトのあるCO₂削減を目指す

アクティオ外観

アクティオ外観

「Zero Emission」のステッカーを施工したことで何かの効果が得られるというよりも、やはり当社の企業方針をわかりやすく表現するには適切な施策です。我々の企業姿勢を明確に示すことで、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆様に理解いただけると確信しています。

また、利用者にアンケート調査を行ったところ、乗り心地については「排気ガスを出さないので環境にやさしい」「静かで快適である」と、EV利用に対するポジティブな反応が届いています。建設現場では大型の機械を使用することも多く、その騒音は周辺の方に大きな影響を与えます。従業員も現場の騒音問題には十分注意してはいますが、EVを導入することで騒音問題に対する配慮を示すことができています。

また、CO₂排出に関しては、25台の軽EVに切り替えたことで年間43.2tの削減効果※が見込まれます。当社が管理する社有車の台数からすると、CO₂削減に対する効果は限定的ですが、できるところから導入を進めていきます。当社は国内37社、海外9社のグループ企業を抱えています。9月に行われたグループ会議では東京でのEV導入事例を広報しました。今後グループ会社のEVに対する関心が高まれば、大阪、名古屋、福岡、北海道と主要都市を中心に導入が進み、CO₂削減のインパクトも大きくなるでしょう。まずは東京でのトライアルを進めていき、充電設備なども含む運用面の効果を検証しながら、充電インフラが整った首都圏を中心に遂行していきたいです。

※日産ADと日産サクラとの月間走行距離1,000km時の比較。(日産ADはメーカー発表値のWLTC燃費で算出、日産サクラは0で算出)

環境、社会と協調し、さらなる事業の発展を目指す

当社はお客さまをはじめとするステークホルダーの皆様に支えられて、事業活動を行っています。つまり、環境や社会との協調を前提として持続的発展以外に私たちの成長の道はありません。その意味では、当社が導入する車両のスペックも、社会の要請に合わせてガソリン・ディーゼル車、ハイブリッド車、EVと変えていかざるを得ません。

まずは社用車から変えていく。レンタカーにおいては、ようやくハイブリッド車両の導入が進んでいます。EV化にはハードルが高いと思いますが、導入のタイミングや運用方法についてもアドバイスいただけるとうれしく思います。当社のEV化を推進するにあたり、今後もオートリースの枠にとどまらず、モビリティに関する総合ソリューション企業としてサポートいただければ幸いです。